愛ダケじゃ、育たない。

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命のつづきを渡しながら

私達、障害児の親は日々、苦戦している。
 
それが、食べさせて着せて、寝かせるだけの一日であっても。
目に見えず触れられず、正解など尻尾さえも見えぬモノのために。

 
多少、割高につくが、私は魚屋、八百屋、肉屋、と。
スーパーでの買い物を、極力少なくしている。(引っ越しした場所柄もあるけどね 
 
魚屋で、息子は私に尋ねる。
「このおサカナ、ちが出てる、どうして?」
「捕まる時に、ナンかに当たったのかな」
「つかまる?」
「そやで、お魚、海に居てるやろ、ほんで、捕まえて、食べるねん」
「うん・・・」
「ええな? 息子とママは、今日お魚食べるねん、だから、いただきます、やねんで?」
「はい・・・」
「せやから、お残しはあかん、全部、しっかり食べや」
「はい」
「お魚が、息子を強くしてくれる、賢くしてくれる、やから、全部食べるねんで?」
「はい!」
 
「そっか、ほな、他に何買うとこか?」
「ん!えび~~~!」
 
息子は、視界に入った鮮血に心を奪われ、何度も何度も納得のいく説明を求める。 
私は、ありきたりで、お茶を濁すような答えを言う場面ではないと判断し、息子に。
 
「私達は、生き物を殺して食べるのだ」 と。
直接的な表現は避けたが、いつかは来る問題で、息子の疑問だろう、と
考えていたので、躊躇なく教えた。
 
いただきます、の言葉、は、そのまま文字通り、「その命を頂戴します」の意味だと。
3歳9ヶ月の幼子に言った。
 
息子は「死」をある程度理解している。
仔猫を拾ったのはいいが、数日後に原因不明で亡くなった。
その時に、死んだら天国に行くのだ、と教え、また。
「死んだら、会えなくなる」 のだとも伝えた。
そして、息子と天国を探し、入り口を探し、天国への案内人を見つけ。
仔猫の遺骸を手渡し、二人で頭を下げた。
この時、息子は3歳2か月。
 
現在は夜空の星を見上げ、
「キラキラ、あの星が猫ちゃんかな~」 と言う。
 
肉を食べる、野菜を食べる、穀物も、卵も、魚も・・・その全てが。
命に繋がっている、といつか、教えなければと思っていた。
 
息子の月齢を考慮すれば早いと思う、けれど。
命とは尊ぶべきモノだ、と教えたかった。
安易に扱ってはならない、容易に見下したり、踏み付けたり。
そういった行為をする人になって欲しくない、そして。
「自身」をも軽々しく、また、その行い、生き方そのものを軽視して欲しくない
 
これは療育ではなく、躾かもしれない。
だけど、視覚から入る影響は計り知れない
息子の2年後には、劇的に彼を取り巻く環境が変わる。
 
テレビ、ゲーム、パソコン、雑誌・・・、街に出れば氾濫する広告と看板。
友人達の家に招かれれば、それら全てが。
彼にとって、視覚からの刺激=快楽となるかもしれない。
小学校ではモチロン、それ以降の彼は、何を学ぶのか、何を失うのか。
それを思う時、親のしてやれることなんて、小せぇな、と思う。
 
子供は親が吟味しまくった環境の中で、なんて成長しない。
自身が選んだ(好んだ  道の、多くの壁と薔薇線を越えて、大きくなる。
 
視覚支援が入り易いというのは、刺激も快楽も、理解がまず視覚から、と言う事だ。
それなら集団に入れば、集団の求める刺激を視覚から認知するだろう。
 
その内容の善悪すら判断出来ぬままでも、彼は。
より惹き付けられる視覚を、求め欲するだろう。
それが今、何色で何形で、なんてまだ分からない、けれど。
その視覚から入る情報ダケの理解で、彼を納得させてはならない、と思う。
 
所詮、目に見えるモノなんて、タカが知れてる。
けれど、目に見える物で判断される社会を、息子は生きる。
この暗黙ではあるけれど、人としてとても大切なルールを息子に教えたい。
 
「命の続き」を息子は全て平らげ、目に見えぬ恩恵で彼は満腹。
いつか、私は。
命のつづきを調理する手にも、その「続き」があるのだと、彼に教えるだろう。
目に見えぬ触れられぬ、正解など尻尾の先ほども見えぬモノのために。
 
それを彼が視覚以外で、理解できた時にこそ。
「私の続き」を、苦戦ではあったが「手渡せた」と思えるような気がしている。
 

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育む

愛読していましたがついにお便りしてしまいました。

なかなか自分を維持するだけでも大変なのに
子どものこととなると「育む」という重みが
ひしひしと迫って来ますね
「愛」としか表現できないものを頼りに
迷いながら、悩みながらですね

そして「いつかは」という
これも曖昧な目標に向かって
とりあえず今を、大切に丁寧に生きる

チョッピリの笑顔でもみせてくれたら
それだけで勇気100倍になった気持ちになり
また頑張れる

私にもそんな毎日がありました

おかげさまで今はほぼ解放され
まるで糸の切れたたこのように
怠惰を貪っています

命のつづき
つなぐことが出来たのでしょうか?
いえいえまだまだ、
私自身の命がついえるまで
このリレーは続きますね

また気を引き締めさせて頂きました
ありがとう

なんだろう | URL | 2008年11月22日(Sat)13:57 [EDIT]


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| | 2008年11月25日(Tue)14:56 [EDIT]


なんだろうさん

ご訪問とコメントをありがとうございます。
 
そう、育むって、難しいですよね。
なんというか、子供と対峙せねば見えて来ない色々、
子供を内包しなければ見えない側面。
 
私達もそうですが、人って、あ~多面性で深いよな~~、なんてね。(笑 子供もそりゃ深いよなあ、と。
 
満タンになったかどうか、の識別がありゃいいのに、と思う日もありますが、こちらの不確かな「愛情と体力」頼みの育て方では、その識別があっても逆に邪魔になるのかもしれへんな~、なんてね(笑
 
なんつーか、「はぐくむ」ってのは、アレですよね?
抱いて汲むって感じですかね?心的に。
 
自分の事なんて、子供が乳飲み子のウチは、三日顔洗えないようなタイムスケジュールですもんね(笑 
 
費えるまで、そう、親の想いが費える事はないでしょうから、費えないまま、が「命のつづき」を手渡しながら、進むって事でしょうねえ~~。
 
ああ、親って偉大やな、ホンマ、ありがたい、と。
年老いた母に、遺影の父に手を合わせたくなります、はい。
 
これをご縁にこちらからも、寄らせて頂きたいな、と思っています。これからも末永くよろしくい願いいたします。 

ママ | URL | 2008年11月27日(Thu)19:32 [EDIT]


なんだろうさん

最後の一行、〆の部分が・・・。
 
「これからもよろしく、お願いいたします」 で。
お願いします、はい。(汗

ママ | URL | 2008年11月27日(Thu)19:33 [EDIT]


管理人だけ閲覧さん

そうですか・・・。
現在、診断名がある程度確定されているのですね。
 
こちら側からの試み、介入、心情を伴う関わりのアレコレの場面で確かに「滑り落ちる」の表現、分かります。何回やっても、大声で言っても、果てのない繰り返し・・・。
 
私もね、もう、投げちゃうか、ってね、思う時あります。そりゃ、人ですもん、母親である前に。
 
でもねえ、そういう時はねえ、もうなーんもせずに、昼間から風呂に入ってね、(風呂は息子嫌がらず 水遊びしてる息子の笑顔だけを楽しむんです。
 
なんというか、チャリで河川敷を毎日飛ばした日々もあったりね、(公園だと他の子を押し倒すから迷惑ばっかりで、居場所が無くなってしまって・・・
 
とにかく母子だけの空間を、時間を作ってねえ・・・。
そんで、 誰にも邪魔されない「愛しい子供と濃密な時間」を過ごしました。(笑 
 
いや、やってることは、ただの親馬鹿で子供が好きに出来る時間だけを作って眺めてたんですよね~~。
 
子供が遠くに感じる時間は、きっと。
子供からも母親が遠く感じてるんちゃうかなあ、って。
そんなんイヤやなあ、私が一番頑張ってんのに!って。(笑  自己満足でしかないですが、それがあるから今も「私がやったんねん、私の子供の療育やねん」って思いがあると思います。
 
世界から認められない休日かもしれませんが、「母子だけの休日」って、育てる過程において、絶対必要やなあ、と私は思っています。 
 
そう、「障害のある子と、育ててる母」の休日。
滑り落ちる感覚が、抱き締めた子供が、その腕からすり抜けて行ってしまう感覚になる前に。
 
一日でも二日でも、いいですやん?
ただ、母子である時間だけを楽しむ休日!
洗濯物は、明日のお天気次第でいいし、ゴハンだって、米さえ炊いとけば何でもイケますがな。
 
果てを見続けるからこそ、果てに捕らわれてしまわないで下さい、ね!
 
えーっと、ブログか何かをお持ちでしたら、良ければこちらからもお邪魔させて頂きますが、どうでしょうか?
またお返事下さいね~~。
 

ママ | URL | 2008年11月27日(Thu)19:59 [EDIT]


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| | 2008年11月30日(Sun)21:08 [EDIT]


管理人だけ閲覧さん 2

はい!
 
ありがとうございます!
こちらこそ、末永くどうぞよろしくお願いいたします。
また、お邪魔させていただきますね~~。

ママ | URL | 2008年12月02日(Tue)22:40 [EDIT]


管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2008年12月03日(Wed)23:17 [EDIT]


管理人だけ閲覧さん 3

なるほど!
そういった由来ですか~。
 
いいじゃないですか!
とても温かい音の集まりで。
「音」がない世界で具体化された温かみもある言葉だと
思いますよ!
 
こつこつと勉強されておられるんですねえ。
尊敬します!
こちらこそ、末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。

ママ | URL | 2008年12月04日(Thu)22:42 [EDIT]


 

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